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競馬のサラブレッドたちのほとんどは胃潰瘍を患っている話

最終更新日 2024年12月27日 by degicame

競馬の楽しみにはもちろんレースの勝ち負けがありますが、それとは別に多くの人々を魅了しているのが競走馬そのものです。
美しい馬体、血筋、馬そのものにロマンを感じている人も少なくありません。
そんな競争馬ですが、実はそのほとんどが胃潰瘍を患っているのです。
サラブレッドの90%以上は胃潰瘍というから、まさに「ほとんどの馬」ということになります。
あのレースで勝った馬、有名なあの馬やこの馬もと言えます。
人間が胃潰瘍になるのは、やはりストレスが原因です。
他にも暴飲暴食が引き金になったり、喫煙やピロリ菌も原因になります。
胃潰瘍というのは、胃の粘膜が傷ついてえぐり取られるという病気ですが、こんなことがサラブレッドにも起こっていると思うと可哀想になります。

サラブレッドも人間と同様にストレスを抱えている

サラブレッドが暴飲暴食をしているはずはないので、やはり原因はストレスなのでしょうか。
競走馬でなければ、普通の馬として暮らしています。
しかしレースに勝つことを使命とされている身なら、厳しいトレーニングやレースへの出場はもちろん、厩舎での規律正しい生活や、レース場への長時間の移動なども必須となります。
どれをとっても馬にはストレスのかかる事ばかりです。
本来、馬という生き物は1日中好きな時に草を食べて過ごす生き物です。
食べれば胃液が出て、胃酸を流しています。
しかし体重管理をされているサラブレッドは食事の回数と量が決まっており、好きな時に好きなだけ食べるという状況とはかけ離れています。
そのため唾液で胃酸を流すという機会が減り、胃に負担をかけて傷めることに繋がります。
さらには騎手を乗せて全力疾走することにより、胃液が胃の中で動いて刺激となり、潰瘍になるとも言われています。
食事管理も、走るという練習も競走馬には宿命ですが、そのことが胃潰瘍の原因になっているというのは辛い現実です。
胃潰瘍の症状は、人間なら胃がキリキリと痛んだりします。
症状がすすむと胃から出血して、手術が必要になる場合もあります。
人間なら「痛い」と伝えることが出来て、自分で病院に行くことも可能ですが、競走馬たちは「痛い」と言えないので余計に心配です。

競走馬やサラブレットたちの解消法は自由な放牧

馬にとっても胃潰瘍の原因がストレスであるなら、やはりストレスを解消させてあげることが必要になります。
競走馬やサラブレットたちの解消法とは何なのでしょうか。
それは「自由な放牧」です。
もちろん完全な放牧というのは無理ですが、整った環境下での放牧は可能で、実際にレースとレースの間には競走馬のストレス解消として取り入れられています。
ストレスが強すぎて体調が悪くなっている馬や、故障している場合などは、もっと長いスパンでの「放牧」ということになります。
人間にとっても「ストレス解消」は大事なことですが、競走馬にとっても同じということです。
本来あるべき姿で、自由に草を食べたり、好きなように動いたり走ったり、休みたいだけ休むことが必要になります。
競馬の主人公であり、レースの華であるサラブレッドたちが、軒並み胃潰瘍を抱えているというのは驚きの事実です。
それでなくてもデリケートで、臆病な性質といわれている生き物なので、感じているストレスはどれほどのものかと思います。

サラブレッドたちの引退後はどのようになっているの?

競馬ファンに夢を与え、楽しませてくれる馬たちですが、レースに出ている間がこのような状況だと知ると、その後の
過ごし方についてが気になってきます。
サラブレッドたちの引退後はどのようになっているのでしょうか。
ストレスとは無縁に過ごせているのでしょうか。
たいていの競走馬は2~3歳でレースデビューします。
ストレスだらけの日々を過ごし、引退は5~6歳です。
この時の年齢を人間に例えると20歳ぐらいで、成人式に出たくらいで人生の大仕事をすでに終えているようなものです。
20歳から第2の人生が始まるわけですが、重賞レースなどで勝っていた競走馬、いわゆる名馬たちは「種馬」となります。
優れた「種」を後世に残すことが新たな使命となるわけです。
そもそも競馬というのは「血統競技」あるいは「ブラッドスポーツ」です。
血統・血筋が大きく影響しているので、強い馬を誕生させるには、強い馬の「種」が必要であり、不可欠となります。
競走馬として華々しい結果を残したその裏には、厳しい練習や管理があったはずです。
そんなストレス下の生活の後にも、こうして「種馬」としての大仕事が待っているのはなかなか大変といえます。

まとめ

牧場などで本格的にのんびり過ごすというのはまだ先になります。
競走馬というのは、骨折すると安楽死させられてしまうこともあります。
馬の脚は細く、調教やレースによってかなりの無理や負担を強いられています。
そのため骨折やヒビを起こしやすいのです。
脚を1本骨折した場合、馬体が重いだけに骨折していない足にも次々に故障が生じたりします。
これが理由で結局「安楽死」という選択になるのですが、ストレスだらけの生活の上に、ケガや骨折をしたら「安楽死」というのは本当に可哀想な話です。
それだけにレースで走っているあの姿がいっそう輝き、我々を大いに魅了するのかもしれません。

 

出典元:暴露王競馬ウィキペディア