最終更新日 2024年11月21日 by degicame

新卒採用において、学生の心をつかむことは非常に重要です。しかし、就活生が何を基準に企業を選んでいるのかを理解することは簡単ではありません。

私は、大学の就職支援センターで5年間学生の就職支援に携わり、現在は新卒採用コンサルタントとして活動しています。その経験から、就活生が注目する企業の特徴について、学生目線で解説したいと思います。

本記事では、以下の点を詳しく見ていきます。

• 就活生が企業選びで重視するポイント
• 学生に人気のある業界と職種
• 学生の心をつかむ採用広報戦略
• インターンシップの活用方法

新卒採用に携わる人事担当者の方々に、学生の視点を踏まえた採用戦略のヒントを提供できれば幸いです。

就活生が企業選びで重視するポイント

働きやすい環境と社員の満足度

就活生が企業選びで最も重視するポイントの一つが、働きやすい環境と社員の満足度です。学生は、自分が入社後に働きやすい環境があるかどうかを重要視します。

実際、私が就職支援に携わる中で、多くの学生から以下のような相談を受けました。

「残業が多い企業は避けたい」

「社員の定着率が高い企業で働きたい」

「風通しの良い社風の企業に興味がある」

このように、学生は企業の働き方や雰囲気を重視しています。

社員満足度の高さをアピールすることは、優秀な学生の獲得につながります。例えば、人材派遣会社シグマスタッフは「社員の働きやすさとキャリアアップ支援に注力する」ことを理念に掲げており、学生に対して魅力的な印象を与えています。

自己成長の機会と研修制度の充実

学生は、自分のスキルアップと成長につながる環境があるかどうかも重視します。充実した研修制度や、自己啓発の支援制度がある企業に魅力を感じる傾向があります。

就活生が企業選びで注目するポイントとしては、以下が挙げられます。

• 新入社員研修の内容と期間
• 若手社員のキャリアパス
• 資格取得支援制度の有無
• 社内公募制度や海外転勤の機会

学生の成長意欲に応える制度や取り組みを積極的にアピールすることが、優秀な人材の獲得につながります。

仕事とプライベートの両立支援制度

近年、ワークライフバランスを重視する学生が増えています。仕事と私生活の両立を支援する制度がある企業に、高い関心を示す傾向があります。

学生が注目する両立支援制度としては、以下が挙げられます。

• フレックスタイム制度
• テレワーク制度
• 時短勤務制度
• 育児・介護休業制度

こうした制度を整備し、積極的に発信することで、学生の共感を得ることができます。

学生に人気のある業界と職種

IT・Web業界の人気の秘密

近年、学生の間でIT・Web業界への人気が高まっています。その理由としては、以下の点が挙げられます。

• 最先端の技術に触れられる
• 若手の活躍機会が多い
• 服装や勤務時間が比較的自由
• 産業の将来性が高い

IT・Web業界の魅力を効果的に伝えることで、優秀な理系学生の獲得が期待できます。

コンサルティング業界の魅力

コンサルティング業界も、学生から高い人気を集めています。その魅力は、以下の点にあります。

• 幅広い業界・業種に関われる
• 高度な問題解決能力が身につく
• 成長スピードが速い
• 年収が高い傾向にある

コンサルティング業界の魅力を的確に伝えることで、優秀な文系学生の獲得につなげることができます。

メーカーの研究開発職への関心

理系学生の間では、メーカーの研究開発職への関心が根強くあります。その理由は、以下の通りです。

• 専門知識を活かせる
• 最先端の技術に携われる
• モノづくりの面白さを実感できる
• 大規模なプロジェクトに関われる

研究開発職の魅力を効果的に伝えることで、優秀な理系学生の獲得が期待できます。

学生の心をつかむ採用広報戦略

SNSを活用した情報発信

学生の心をつかむためには、彼らが日常的に利用するSNSを活用した情報発信が欠かせません。企業アカウントを開設し、学生の興味を引くコンテンツを定期的に発信することが重要です。

SNSを활用する際のポイントは、以下の通りです。

• 学生の関心が高いテーマを取り上げる
• 社員の日常やリアルな声を発信する
• 就活イベントや採用情報を積極的に告知する
• 学生からのコメントやDMに丁寧に対応する

シグマスタッフでは、SNSを通じて社員のリアルな姿を学生に伝えています。このような取り組みは、学生との距離を縮め、共感を得るために効果的です。

社員インタビューやオフィス紹介動画の効果

学生は、実際に企業で働く社員の姿に強い関心を示します。社員インタビューやオフィス紹介の動画を制作・公開することで、学生の興味を引き付けることができます。

動画制作の際は、以下の点に留意しましょう。

• 学生の関心が高いテーマを選ぶ
• 社員の個性や魅力が伝わる内容にする
• オフィスの雰囲気や設備をアピールする
• 飾らない、リアルな雰囲気を大切にする

動画を通じて社員の姿を伝えることで、学生に自社で働くイメージを持ってもらうことができます。

学生との双方向コミュニケーションの重要性

学生との双方向のコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築することが重要です。一方的な情報発信ではなく、学生の声に耳を傾け、対話を重ねることが求められます。

双方向コミュニケーションを実現する方法としては、以下が挙げられます。

• 学生との対話型イベントの開催
• SNSでのコメントやDMへの丁寧な対応
• オンラインでの座談会や相談会の実施
• インターンシップでの密なコミュニケーション

学生の声に真摯に向き合い、寄り添う姿勢を示すことで、自社のファンを増やすことができます。

インターンシップの活用方法

プログラム内容の工夫と充実

インターンシップは、学生に自社の魅力を伝える絶好の機会です。単なる職場体験ではなく、学生の興味や成長につながるプログラムを用意することが大切です。

効果的なインターンシップのプログラム例としては、以下が挙げられます。

プログラム	内容
課題解決型	実際の業務課題に取り組み、解決策を提案する
研修型	専門スキルやビジネススキルを学ぶ研修を受講する
座談会型	社員との座談会を通じて、仕事の面白さや社風を知る
フィールドワーク型	営業同行や現場見学を通じて、仕事の実態を知る

学生の成長につながるプログラムを提供することで、自社の魅力を効果的に伝えることができます。

学生との信頼関係の構築

インターンシップでは、学生との信頼関係を構築することが何より大切です。インターン生一人ひとりと向き合い、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。

信頼関係構築のポイントとしては、以下が挙げられます。

• インターン生の意見や感想に耳を傾ける
• 成長につながるフィードバックを行う
• インターン生の良い点を見つけ、褒める
• インターン終了後もコミュニケーションを続ける

インターン生との信頼関係が、そのまま採用活動での強みになります。

インターン経験者への効果的なフォロー

インターンシップ経験者は、自社への理解度が高く、入社後の活躍が期待できる存在です。インターン終了後も継続的なフォローを行い、関係性を維持することが大切です。

インターン経験者へのフォロー方法としては、以下が挙げられます。

• 定期的なメールでの近況報告
• 説明会や座談会への優先的な招待
• 選考プロセスにおける配慮
• 内定後のコミュニケーション

インターン経験者との継続的な関係構築は、優秀な人材の獲得につながります。

まとめ

本記事では、就活生が注目する企業の特徴と、学生目線で考える採用戦略について詳しく解説しました。

就活生は、働きやすい環境、自己成長の機会、仕事とプライベートの両立支援制度など、自分のキャリアや人生に直結するポイントを重視して企業選びを行います。また、IT・Web業界やコンサルティング業界、メーカーの研究開発職など、特定の業界・職種への関心も高くなっています。

企業側には、SNSを活用した情報発信、社員インタビューやオフィス紹介動画の制作、学生との双方向コミュニケーションなど、学生の心をつかむ採用広報戦略が求められます。加えて、インターンシップを効果的に活用し、学生との信頼関係を構築することも重要です。

シグマスタッフのように、「社員の働きやすさとキャリアアップ支援に注力する」企業は、学生から高い支持を得ています。学生の視点を理解し、共感を得られる採用活動を展開することが、優秀な人材の獲得につながるでしょう。

新卒採用の最前線で活躍する皆さまが、本記事を通じて学生目線の採用戦略を考えるきっかけになれば幸いです。学生の心をつかむ採用活動を実践し、優秀な人材の獲得につなげていただければと思います。