今回のデジカメ写真こぼれ話は、デジカメ写真でモノクロームを撮る場合について、
書かせていただこうと思います。
おそらく、この拙文をお読みになる読者の皆様のほとんどは、ほとんどすべての状況で、
カラーで写真をお撮りになると思います。
もちろん、それは悪いことではないのですが、たくさんの色が氾濫する昨今、時には
モノクロームで写真を撮ってみるのも、新鮮な良さがあるものです。
フジファインピクスには、写真の画質を選ぶ中に、モノクロームモードがあります。
もちろん、レタッチで、色情報を排除し、モノクロームモードを作り出すノウハウも、
レタッチ編で解説させていただこうと思っていますが、撮影段階でモノクロームで撮影し、
モノクロームの効果を現場で確認できるデジタルの強みを、より生かせることが、
私が個人的にファインピクスを愛用する理由の一つでもあります。
まずは、下の2枚の写真を比較してください。
一見、下の写真の方が、抜けがよく見えます。上の写真と下の写真の違いは、
YA3というフィルターを使ったか使わないかの違いです。
YA3フィルターとは、下の写真のような、オレンジ色のフィルターです。

普通、モノクローム用のフィルターとしては、黄色いもの、オレンジ色ものもの、
赤いものと3種類があります。使うと、よりグラデーションが豊かになったり、
コントラストがついたりなどのさまざまな効果があります。
普通にカラー写真を撮影していると、気が付かないのですが、新緑のグリーンと、
明るい紅葉したもみじの赤い色は、同じ濃度のグレーになります。
そのため、カラーで撮影したものを、そのまま色情報を破棄して、モノクロモードに
すると、メリハリのないモノクロ写真になってしまう場合があります。
こういったとき、レタッチ編で順次解説していきますが、同じ濃度のグレーに
なってしまう、異なる色を、それぞれ違うレベルに補正する手段として、
チャンネルレベル補正というのがあるのですが、それに関しては、レタッチの項で、
徐々に解説させていただこうと思っています。
話を最初の2枚の写真の例に戻すと、上の写真は、空の部分も一定のグレーを
維持していますが、下の写真では、雲以外の部分が白く飛んだように見えますね。
その部分で実はトーンがなくなってしまっているのです。
デジカメ写真のモノクロモードでは、フィルムのモノクロモードと違い、コントラストが
弱く、メリハリがつきにくいので、その部分を、レタッチで補って見ると、
下の2枚の写真のようになります。
上の写真が、YA3を使ったもの、下の写真がフィルターなしのもの。空のグラデーション
が、上の写真のほうが豊かに残っているのがおわかりになるでしょうか?下の写真は空が
一見明るく見えるのですが、雲以外は、白くとび気味になっています。
また、道路の路面も、上の写真が一見暗そうなのですが、注意してみていただくと、
路面の暗い部分から明るい部分へのグラデーションが豊かに出ています。
路面の明るい部分のグレーの濃度は同じにしてありますので、その分、上の写真の
方が、黒から明るいグレーにかけての諧調が豊富にあることがわかります。
このように、デジカメのモノクロモードも、うまく使うと非常に効果が出ることが
お分かりいただけたでしょうか?
もし可能であれば、モノクローム用のフィルターなども併用すると、より、効果的に
モノクロームのデジカメ写真を作ることができます。
一般に、デジタルのモノクロームは、フィルムのそれに比べると、メリハリが
弱いのですが、その部分をレタッチでおぎなってやると、フィルムに負けない
諧調を表現でき、それはそれで楽しいものです。
鮮やかな色の氾濫する中、時には、モノクロームで遊んでみるのも楽しいですよ。