コンパクトデジカメと被写界深度について その2
前回、被写界深度とは何かということを説明させていただきましたが、
今回は、コンパクトデジカメの被写界深度について、説明させていただきます。
まず、下の2枚の写真を見てください。
2枚とも梅のクローズアップの写真ですが、ピントの合った梅よりも、背景のボケ方に
注目して欲しいのです。
一枚目の梅の写真は、コンパクトデジカメのマクロモード(接近撮影モード)で
撮影したものです。背景はボケてはいますが、背後の木の枝の様子などは、
はっきり分かりますね。
二枚目の梅の写真は、一眼レフタイプのデジカメで撮影した梅のクローズアップ写真です。
マクロ(接近撮影)専用のレンズを使い、クローズアップで写しています。
背景の梅の枝に注目していただくとおわかりいただけると思うのですが、枝の形が
辛うじてわかるくらいに大きくボケていることに気が付いていただきたいのですが、
いかがでしょうか?
前項で、広角レンズになればなるほど、被写界深度は深くなると説明させて
いただきましたが、実は、コンパクトデジカメのレンズは、非常広い広角レンズなのです。
一眼レフタイプのレンズでは、焦点距離28ミリから、35ミリくらいまでを広角レンズと
一般にはいいます。ところが、コンパクトタイプのデジタルカメラは、焦点距離が
数ミリから十数ミリというものがついています。非常に広角であることが、数値から
ご理解いただけると思います。
コンパクトデジタルカメラは、光を映像電気信号に変えるCCDという受光部が、一眼レフ
タイプのものよりも小さいために、数ミリの焦点距離のレンズでも、28ミリや35ミリの
画角(写る範囲)になります。広い映像の一部を切り取っていると考えると、
理解しやすいかも知れません。
そこで、広角レンズがついているが故に、背景がボケにくく、一眼レフで撮影したような、
背後を大きくぼかした写真は、撮影しにくいという性質があります。
逆に、背後まできちんとピントが合っている写真、下の写真を参照してください。
(写真参照)

上の写真は、手前のパームツリーから奥のパームツリーまでピントがあっていますね。
このパームツリーはF5.6という絞りの開いている(光の通り道が広い)状態で
撮影されています。つまり、パンフォーカス(手前から奥まですべてに
ピントが合っている)状態を作りやすいという特徴があります。
ちなみに、一眼レフタイプで上のように、手前から奥までピントが合っている、
パンフォーカスの写真を撮影しようとすると、F11や、F16という大きな数字まで
絞りを絞る(光の通る道を狭くする)必要があり、そのために、シャッタースピードが
遅くなる(シャッターが開いている時間が長くなる)ので、手ブレなどの失敗が
起こりやすくなりますね。
まとめると、コンパクトタイプのデジカメは、被写界深度が深いので、背景のボケた
写真は撮影しにくいが、手前から奥まできちんとピントが合っている、パンフォーカスの
写真の撮影はしやすいと、覚えておいてください。